アウトドアブームの中で、近年とくに注目度が高いバンライフ。バンライフは単なる遊び方の一つとしてではなく、ライフスタイルそのものを表す単語として浸透し始めるなど、大きく広がりを見せています。
実際にバンライフを実践するために必要なものはなんでしょうか。車は大前提として、どんな道具が必要なのか?どのメーカーが良い?
実はバンライフを実践するために、道具やメーカーよりも重要な一つの考え方があります。それは「サイクル化」です。日々違う場所で過ごすバンライフでサイクル化というとチグハグに感じられるかもしれませんが、実際にバンライフや長期車中泊旅行を実践すると、サイクル化なしには快適な生活は不可能といえます。
この記事では、バンライフや長期車中泊旅行において大切な考え方をまとめることで、バンライフをより身近にするとともに、無理なく長期間継続できるようにしていきます。
目次
サイクル化が必須の理由
なぜバンライフや長期車中泊旅行においてルーティン化が必須なのでしょうか。
その理由は「持っていける道具の量に限りがあるから」「期間が長い」という二つの理由があります。
1.持っていける道具の量に限りがある
車の中で長期間生活をするバンライフや長期車中泊旅行では、道具の積載と生活スペースの確保を同時に行う必要があります。キャンプなどにおいては車内いっぱいに道具を積み込んで、現地で設営することもできますが、バンライフや長期車中泊旅行では無理があります。
車内で快適に過ごせるスペースの確保が必須のバンライフや長期車中泊旅行では、持っていく道具の量はシビアに考える必要があります。
2.期間が長い
時には数ヶ月単位の生活をすることもあるバンライフや長期車中泊旅行では、保冷・電源などについて独特の考え方が必要になります。
保冷を例にとると、数泊のキャンプでは当たり前の、保冷力が高いクーラーボックスを活用したシステムなどは採用できません。自宅から出て数日間は問題ありませんが、保冷剤が尽きてクーラーボックス内の温度が上昇した時点で、ふたたび十分に冷却するのは困難です。
そのため、バンライフや長期車中泊旅行においては、保冷剤など自宅での下準備が前提の道具は役に立ちません。スーパーで入手できる保冷氷などを最大限活用する方が現実的です。もしくは、車内に十分なスペースがあるのならば冷蔵庫を設置する方法もありますが、結局のところ長時間停車していると電源が尽きてしまう問題は残ります。
どうやってサイクル化するか
バンライフや長期車中泊旅行においては、独特の道具選びや運用が必要になることがわかりました。では、具体的にどのようにするのが最適なのでしょうか。
その答えこそ、サイクル化にあります。
バンライフ中に生じるイベントから逆算する
バンライフを実践するなかで、どうしても外部の設備に依存しなければならない、代表的なものを考えてみましょう。
- 食料・日用品補給
- 給油
- ゴミ捨て
- 洗濯
主にこれらのタイミングで、スーパーなりガソリンスタンドに立ち寄ることになります。1週間おきなのか1日おきなのかはさておき、一定間隔で補給が必要なのは間違いありません。
つまり、これらの場所に訪れるタイミング、すなわち市街地に行くタイミングで全部済ませちゃいましょう、というのがサイクル化するということです。
私の場合
たとえば軽バンでバンライフをしている私からすると、1サイクルは2日です。なぜかといえば、車の航続距離の問題で2日に一回は給油しなければならないからです。
ガソリンスタンドがある場所には、最低限スーパーかコンビニくらいはあります。そのタイミングで、2日分の食料・氷の調達を繰り返すことで、いかに長期間であっても無理なくバンライフを継続することができるのです。
衣類の量は5日分を目安にしています。これはコインランドリーが一定規模の市街地にしか無いことが多いことから、補給2〜3回ごとに1回の洗濯で無理なく生活できるように配慮しているためです。
具体的な荷物の量
1人の場合、1ヶ月ほどのバンライフに持っていく荷物の量はこのくらいです。
- 着替え(5日分)
- 調理器具
- 食料(生鮮品はクーラーボックス・それ以外は樹脂ボックス)
- ポリタンク
- マット
- 趣味の道具(登山用具)
旅の目的に合わせて、趣味の道具を変更したり増やしたりしますが、だいたいこのくらいの分量で変化ありません。
妻と二人の場合でも、着替えが二人分になり、食料が若干増えるくらいなので、2日サイクルを1日に短縮するか、荷物をキッチリ詰め込むことで対応しています。
1サイクルに必要な最低限の荷物を厳選することが、快適な居住スペースを実現する一番の近道です。バンライフでは荷物が少なくなることは居住スペースの増加に直結します。居住スペースを増加させることができればより快適なバンライフに近づくことは間違い無いので、サイクル化は是非とも取り組むべきテーマと言えるでしょう。
あると便利なルーフボックス
サイクル化を考えることは、最低限必要な道具を毎日フル稼働させることともいえます。ですが、時には不要なものを買ってしまうこともあります。
たとえば、4ロール1セットのキッチンペーパーや土産物などが代表例です。当日使うもの以外が車内にあるということは、そのまま車内スペースの圧迫につながります。そのため、今日使わないものや土産物などはルーフボックスに入れておくことで、より快適な車内空間を実現できます。
ちなみに洗濯物やゴミを入れておくにもちょうど良いので、小さくても良いのでルーフボックスの設置は是非とも検討してみてください。
まとめ
バンライフや長期車中泊旅行においては独特の道具選びや考え方が重要になることがおわかりいただけましたでしょうか。
自宅から全部持っていくのではなく、補給を前提にしたサイクルを具体的にイメージすることが重要です。1サイクルは1日でも5日でも構いませんが、補給のタイミングでやるべきことが定型化してくると、旅のテンポが劇的に良くなります。
サイクル化さえしっかりとイメージできていれば、1泊だろうと、100泊だろうと、必要な道具の量は変わりません。
あなたに最適なサイクルを見つけ出して、是非バンライフや長期車中泊旅行にトライしてみてください。