【バンライフ】車の内装ウッド化(板張り)のメリット・デメリット

愛車の内装をウッド化(板張り)したい貴方へ、ウッド化(板張り)の概要とメリット・デメリットを記事にしました。

はじめまして。バンライフコンプリートカー「バンライフエブリイ」を製造販売するSO9|エスオーナインです。今でこそコンプリートカー販売をしていますが、そもそもは代表の車中泊趣味が高じてDIYでウッド化を始めたことからスタートしたブランドです。10代の頃から、10年以上にわたり車中泊を続けている代表は、学生時代から様々な工夫をしてきた経験をもとに、快適かつ必要十分、そして旅をしたくなる車両を追求して制作を続けました。様々な車両に触れる中で、「十分なスペース」「リーズナブルな価格」「日本の道路事情フィットするボディサイズ」など軽バンの可能性を確信し、今では軽バンベースのコンプリートカー販売を始めるに至りました。車両詳細は記事最後にリンク掲載していますので興味のある方は目次からジャンプしてご覧ください。

前置きが長くなりましたが、この記事では私達の経験を踏まえウッド化(板張り)のメリットとデメリットを確認していき、なぜバンライファーたちが車の内装をウッド化するのかという理由に迫ります。

なぜウッド化(板張り)するのか

そもそも、なぜ車の内装をウッド化(板張り)する必要があるのでしょうか。おそらく多くの方はSNS映えする世界観に惚れ込み、バンライフに興味を持つと思いますが、ウッド化(板張り)のメリットは見栄え以外にも沢山あります。フラットな木製フロアは長時間車内で過ごす際の快適性と荷物の積載性を両立させることができますし、天井のウッド化(板張り)は心地よい空間の演出だけでなく収納スペースの増加にもつながります。

車両内装を大きく分けるとフロア・壁・天井に分かれますが、それぞれの箇所ごとにウッド化(板張り)のメリットがあり、全ての箇所を満遍なくウッド化(板張り)できるとベストなのですが、施工部位によっては結構難易度が高く苦労される方も多いようです。それでも、できる部分だけウッド化(板張り)するだけでも確実にバンライフ・車中泊は快適になります。

ウッド化=住環境を作る

内装のウッド化は「移動手段」として設計された車に「住環境」としての機能を追加していく作業です。

車は移動手段としては非常に優れています。移動時に限れば手を加える必要がないほど快適に作り込まれていて素晴らしいものです。しかし、これを住環境として捉えたとき、長時間くつろいだり就寝するための空間として快適といえるでしょうか?当然足りない機能が多く、人それぞれ配置やこだわるポイントが違うように、ユーザーごとに必要な機能の優先順位も変わってきます。

住宅の間取りやデザインは多種多様なのに、車の内装は画一的で自由が効きません。同じ車両をベースにするとしても、バンライフの目的が観光旅行なのかアウトドアアクティビティなのか、もしくは長期間のバンライフなのか、目的によって最適な状態は全く別のものになって当然です。

車の内部を、言い換えれば住環境を自分好みに作り込むことこそウッド化(板張り)の醍醐味と言えます。では、これからウッド化のメリットを確認していきましょう。

日本でDIYウッド化が浸透しない理由

バンライフ文化発祥の地ではDIY施工されることが多いウッド化(板張り)ですが、日本国内ではあまりDIYでのウッド化が浸透していないのが現状です。これは日本の車検制度が世界的に見て厳しく、ウッド化(板張り)により「車検を取得できなくなる」「構造変更が必要になる」などのリスクがあるためで、自己責任による改造を行うことをハードルに感じる人が多いからです。この点はウッド化のデメリットとして記事後半に記載します。

ウッド化(板張り)のメリット

1.見た目が良い

ウッド化(板張り)の一番わかりやすいメリットは「見た目」でしょう。

車の工業製品然とした内装も悪くないのですが、車内の雰囲気をそのまま残した状態でバンライフしてしまうと、(ネガティブなイメージで、例えば節約のために)車中泊をしている、という印象になってしまいがちで、あまりテンションが上がりません。

もちろん、内装をウッド化(板張り)しなければバンライフや車中泊は楽しく無いのかといえば全くそんなことはなくて、私自身も学生時代は何も改造していないボロボロの車に寝袋だけ詰め込んで車中泊旅行を楽しんでいました。

しかし年齢を重ねパートナーと一緒にバンライフを始めたことで、学生時代のように移動できて仮眠できれば何でも良かった頃とは求めるものがだいぶ変わりました。上質な空間での滞在はより豊かな体験をもたらしてくれるというこへの気づきもあり、内装をウッド化した車両の魅力を強く感じるようになってきました。

2.生活に必要な機能を追加できる

車は移動手段としての機能を最優先でデザインされるため、長時間休憩したり就寝したりするための空間としての機能は二の次で当然です。

例えば、車の内装は進行方向に向かって着席して使いやすいように設計されています。荷室で車の外を眺めながら寛ぎたいとき、果たして側壁部分は寄りかかりやすいのか?座席は邪魔ではないか?などバンライフでの使用シーンを考えてみると使い勝手が悪いシーンが多いこともお分かりいただけるでしょう。

車の荷室を、生活空間として使いやすいように改造する、それこそがウッド化(板張り)の一番メリットであり目的です。食器や衣類などの収納スペースや照明の設置など、純正車両には無くて生活に必要な機能を追加していくことで、バンライフや車中泊体験はより快適に楽しくなっていきます。

そしてとても重要なのが、ウッド化により家具やアウトドア用品など、様々なアイテムで空間をカスタマイズできるようになるということです。ウッド化していない車両では接地面の凹凸や強度などの問題でかぐやアウトドア用品などのハードな素材でできたアイテムを設置することは躊躇われますが、ウッド化にによって自由に選べるようになります。

3.生活空間として居心地が良い

車の車内を住環境と捉えた場合、ウッド化(板張り)することにより居心地の良さ改善につながります。これは先に述べたように見た目や機能としての居心地だでなく、身体的に過ごしやすいことも見逃せません。

特にフロアのウッド化(板張り)は非常に重要で、フラットな床面がどれほど重要か実感できるはずです。近年の車はフルフラットを謳う車種も増えましたが、これは荷物積載時にフラットである、というだけで、寝転がったり座ったりして快適である、ということとは無関係です。車は製造の都合上、必ず補強の凸凹があったり、部材の継ぎ目に段差があったりします。これらが寝転がったり座ったりする際には快適性を損ねる要因になっていて、何かしらの工夫なしには快適な空間にはならないのです。

車中泊用マットなども販売されていますが、なぜバンライフや車中泊の上級者はわざわざ木製のフラットな床面を求めるのでしょうか。これは「荷物の積載」「就寝」を両立させるには車中泊用マットは不便だからで、しっかりとした木製の床面が優れているからです。

フロアカーペットなどで見た目だけそれっぽくすることもできますが、SNS映えだけでなく実用性も重視するのであれば、できれば天然木を利用したフロアにしたいところです。これは住宅のフロアに天然木のフローリングが採用されていることからもわかるように、生活空間の床面として天然木が触り心地や耐久性などに優れているからです。

もちろん天然木、それもフローリングなどを施工する場合はDIYではなかなか難しいのも事実ですが、バンライフや車中泊を続けていけば、いずれそこにたどり着くことになります。

4.後から機能追加しやすい

内装をウッド化(板張り)するメリットの一つとして拡張性の高さが挙げられます。しっかりとした強度をもたせてウッド化(板張り)してしまえば、木ネジなどを利用して機能追加するのは簡単です。また、家庭用の安価でデザイン性の高い金物を使えるのもメリットです。木ネジの施工は車本体へのボルト施工と比べてはるかに難易度が低く、車を傷つけてしまったり壊してしまうリスクも少ないので、より気軽にチャレンジできます。

ウッド化していない車両で機能追加するにはサービスホールを利用するか、車体に穴開け加工するなどの必要があります。純正のボルト穴を利用する場合、場所に制約があり、新たに穴を開けるとなると車の価値を損ねてしまうことはもちろん、内部配線などの破損や不調の原因になったりするリスクを孕んでいます。

内装ウッド化で機能性・拡張性を両立!

内装のウッド化は住環境としての機能性が向上するだけでなく、季節や場所に合わせて機能を拡張できる点も魅力だということがわかりました。

簡単に機能変更できるということはシチュエーションに合わせて最も居心地の良い環境を実現できるということなのです。

DIYウッド化(板張り)のデメリット

ウッド化(板張り)によるメリットはこれまでに確認した通りですが、もちろんデメリットが生じる可能性もあります。この項目ではウッド化(板張り)により生じる可能性がある項目を確認していきましょう。

注意して欲しいのが、デメリットは仕様や施工者の技量が原因で生じる事が多く、必ず発生するわけではないという点です。

1.車検に通らない可能性がある

これはYouTubeなどでウッド化(板張り)について調べたことのある方なら耳にしたことがある方も多いのでは無いでしょうか。あらかじめ車検高も項を確認し、問題点を回避できるように設計・施工しないと車検を通すことのできない車になってしまう可能性があります。

例えば車両重量の増減に関する制約をクリアできる重量で設計できていない場合、車検のたびに内装を外して車検を受けることになるかもしれませんし、パーツの固定方法など細かい部分が問題になることもあり、すべてをクリアできているのかどうか、DIYだと判断しにくい点も多いです。

2.構造変更が必要な可能性がある

例えば後部座席を撤去してしまったり、特定部分の内装寸法により現在のナンバーでの車検取得ができない場合もあります。もちろん構造変更をして車検を再取得できる場合もありますが、これは新車時または車検直前に行っておかないと残車検期間が無駄になるなどの問題があります。また、税金や保険種別などが変わりますので、それらも合わせて多種多様な手続きが必要になります。

3.車を痛めてしまう可能性がある

施工方法によっては車両を痛めてしまうこともあるでしょう。DIYではドリルビスなどで車両に直接木材を固定する方法が主に紹介されていますが、これは強度的にも問題のある方法で、特に天井部分などはビームへの施行となりますがこの部分はほとんど強度がない、天井の形状を維持するためだけのパーツです。天井施工により荷重がかかったり無理な力が加わると、ビームと天井の剥離が生じてガタつきや軋み音の原因になったり、最悪車両天井の変形につながる可能性もあります。

また、適切な位置に固定するためには車内部の構造を理解している必要があり、施工位置によっては車自体に不調が生じる可能性もあります。

4.走行性能が悪化する可能性がある

内装全体の重量計算や構造設計を行わず施工開始してしまうと、いがなほど重量が嵩み、走行性能が悪化する場合があります。必要十分な見た目・機能を持たせ、さらに軽量化まで考えるのは結構難しく、一度作った後も何度もやり直して改善していく必要があるかもしれません。

5.車の価値が落ちる可能性がある

ウッド化(板張り)する際に内装を撤去したり、傷つけてしまった場合、車を中古車として売却する際に下取り価格が落ちてしまう可能性が高いです。内装を撤去したり傷つけずにウッド化(板張り)できればベストですが、そのためには複雑な加工が必要にあることが多く、DIYで行うには結構ハードルが高いです。

まとめ

ウッド化にはたくさんのメリットがあって、バンライフ体験を、ひいては旅行体験をこれまでよりずっと豊かにしてくれます。一方でデメリットが生じる可能性も十分にありますので、慎重にウッド化を行いたいところです。

ウッド化(板張り)に適した車種

ウッド化(板張り)に適した車種は主にバンかワンボックス、それれも商用車と呼ばれるジャンルの車が適しています。たとえば、外観がほとんど同じ車でもバンとワゴン(SUZUKI|エブリイバン・エブリイワゴンなど)で内装仕様が分かれているもの車種がありますが、これはバンを選択した方がウッド化(板張り)は簡単です。ワゴンと名のつく車種は後席や内装仕様が豪華な場合が多く、乗客を輸送するには快適ですが、バンライフや車中泊では逆に空間を圧迫されてデメリットにもなります。

具体的なオススメ車種は別の記事にまとめていますのでそちらをご覧ください。

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