バンライフを始めるための、最適な車種の選び方

数年前から密かにブームの兆しを見せていたバンライフが、近年、一般的に浸透してきました。本来の意味としてはバン(VAN)で生活(Life)するスタイルから作られた造語ですが、日本においては、さらに広範囲なジャンルを指す単語として使用されているように感じます。

キャンプでテントの代わりに車を使う、テレワークスペースとして車を使う、週末だけ車中泊旅行する、など、ときにはバン以外の車種を利用していても一括りにバンライフと呼ぶのが日本における近年のスタンダードになってきました。

このような現状を踏まえ、この記事ではまず最初にバンライフと車中泊の違いを考察し、あくまでも車中泊ではなくバンライフに最適な車種を選んでいきます。

バンライフと車中泊の違い

車の中で生活する、というと「車中泊」「キャンピングカー」などが一般的に連想されるかと思いますが、それらと「バンライフ」の違いはなんでしょうか?本来の意味は別として、近年の日本でのざっくりとした括りで言えば、バンタイプの車種に趣味の道具を積み込んで、従来の車中泊とは一線を画すおしゃれな空間で旅行やアウトドアをする。というイメージがしっくりきます。

商用車の荷台を趣味の道具で満たし、気ままに移動や宿泊していくバンライフというスタイルは、忙しい現代人の息抜きの方法として非常に魅力的です。

従来の車中泊がどこか遠くに行くための手段だったのに対し、バンライフはそれ自体を楽しむことが目的といえるでしょう。なので場所は自宅ガレージでも、キャンプ場でも、どこでも良いのです。バンに乗り込んだ瞬間に自分だけの世界にどっぷりと浸かることができる、しかもそのまま遠くまで出かけることもできる。なんて素敵なスタイルなのでしょうか!

この記事では、”バンライフ”という単語について、本来の意味であるバンでの長期生活ではなく、数日〜数ヶ月程度の旅行・アウトドア活動を指すものとして使用しています。

というのも、バンの中で仕事・趣味・食事など、長期間の生活を完結させるとなると、住宅さながらの空間を実現できる超大型車のメリットばかりが際立ってしまい、面白味に欠けるのです。もちろん、相応の不便を受け入れることで様々な車種で長期生活は可能ですが、ここではもっと気楽に、遊びの中での”バンライフ”にフォーカスした記事にしました。

車内で過ごす人数の想定は〜2人です。それ以上の人数の場合は、宿泊地でテントをベット張るなどの工夫は必要になりますが、基本的な考え方は〜2人の場合と同じです。

バンライフに最適な車種の選び方

バンライフをこれから始めようという場合、最初のハードルになるのがクルマ選びです。バンライフのことを調べるなかで 、バンライフに適した車種はどのくらいあるのか?と疑問に思う人も多いはずです。

最適な車を選ぶためには、スタイルや人数に合った車内スペースはもちろんのこと、走行性能や価格などもしっかりと考慮する必要があります。この記事では、私たちがバンライフに適していると断言できる現行車種だけに絞り、それらを相対的に位置付けることを目標にします。

紹介する車種の多くは様々なメリットを持つ素晴らしい車種です。どれが良くて、どれがダメ、というランキング付けはしませんが、この記事を読めば自分のスタイルによりフィットした車種を選べるようになるはずです。

また、現行車だけに絞った記事ではありますが、ヴィンテージカーなども基本的な考え方は現行車同様です。最後まで読めば、どんな車でもご自身で最適な車種を判断できるようになるはずです。

必要な車内スペース

結論から言うと、長さ:190cm|幅:120cm|高さ:110cmくらいが大人2人に必要な最低限のスペースです。

最低限のスペースを考える

バンライフに必要な車内スペースの基準は、「快適に」「長時間」過ごせる広さです。

就寝時には、車内スペースの「長さ」「幅」が重要になり、食事をとるときなどは「高さ」が重要になります。それぞれ重要なポイントなので、最低限のスペースを決めて、それ以上の車内空間を持つ車を選ぶことではじめて、快適なバンライフが可能になります。

ここで、最低限のスペースを決める基準として、車以外とも比較してみます。シェルターといえばテント、ということでアウトドア用のテントと比較します。テントと言っても、山岳用の小型・軽量モデルから、キャンプ用の超大型モデルまで様々なものがりますが、ここでは人間が2人快適に過ごせるスペースの参考になりそうな、ツーリングまたは少人数キャンプ向けの、居住性にも配慮したテントを参考にします。

どちらもツーリングやキャンプの定番モデルですが、並べてみるとサイズが似通っていることに気づきます。基本的には、長さと高さは似通っていて、適正人数により幅を変化させています。

結論:最低限の車内スペース:長さ:190cm|幅:120cm|高さ:110cm

アウトドア用のテントを基準に考えると、バンライフに必要な車内スペースはおおよそ【長さ190×幅120×高さ110(cm)】くらいといえるでしょう。スクエアな室内形状を持ち、テントよりも端の方まで有効活用できるバンにおいては、テントよりも少し小さい程度のスペースがあれば、快適に長時間過ごすことができます。

テントより車のほうが小さなスペースで良い理由

形状的に端の方がデッドスペースになるテントに対して、バンの車内スペースは隅までキッチリ使える形状なので、寸法上は多少小さくても使えるスペースが広いのです。数値上は天井高もテントとそれほど変わりませんが、端から端まで天井高が高いバンのほうが広々と感じられるのも特徴です。

補足

長さ190×幅120×高さ110(cm)くらいが必要な車内スペースの基準ということがわかりましたが、人間の体の大きさを参考にこの数値の根拠を補強してみましょう。

必要な長さ

長さの基準は身長です。たとえば170cmの人が就寝するときに必要なスペースは、180cmくらいです。身長ピッタリのスペースだと、つま先や髪が壁に当たってしまい、快適に寝ることができません。そのため、大半の人が快適に寝られるスペースとなると190cmくらいが基準になります。

必要な幅

幅の基準は肩幅です。テント以外に参考になりそうな、ベッドのサイズを参考にしてみましょう。ベッドのサイズはセミダブルで120cm、ダブルで140cmくらいのものが多いことからもわかるように、大人二人が横になったときに肩が触れ合わずに快適に過ごせる幅は120cm以上くらいが基準と言えるでしょう。

必要な高さ

高さの基準は座高です。身長170cmの成人の平均的な座高は90~95cm程度です。頭上空間が少なすぎると窮屈なので若干余裕を持たせた寸法が110cmくらいということになります。

ローチェアを使用する場合に必要な高さは115cmくらいです。115cmという寸法は、軽バンにおいてはハイルーフ仕様の車種である必要があります。

お座敷スタイルだけで大丈夫なのか、ローチェアなど椅子に腰掛けたいのか、しっかりと考えましょう。

SUVやワンボックスでのバンライフ

近年のアウトドアブームや災害に対する意識向上などで、近年の車は「車中泊できる」ことを売りにしている車種も少なくありません。

実際、現在の新車市場を見渡すとコンパクト1BOXから中・大型SUVなど、後席を倒すと長さ180cmくらいのスペースを確保できる車種は少なくありません。

しかし、「車中泊できる」ことを、そのまま「バンライフできる」ことと理解するのは間違いです。これらの車種では荷台に座ると頭が天井に当たることが多く、あくまでも「車内で快適に寝ることができる」だけなのです。

調理や食事など、車の中で過ごす時間が長いバンライフにおいて、天井の高さは非常に重要で、主に商用バンがバンライフに最適といわれるのはその荷室スペースだけでなく、天井の高さも大きく影響しているのです。

荷室スペース一覧

いよいよ、現行で購入可能なバン同士の比較をしていきます。一部車種(ハイエース|NV350キャラバンなど)は、ほとんど同じスペースのため、ひとまとめにしています。ご覧の通り、おおよそ現行車の荷室スペースは6種類に分類できます。なお、室内の高さは各車種とも十分以上ですので、これ以降は「長さ」「幅」「形状」のみを考察していきます。

ほとんどの車種が、ここまでに確認してきた必要最低限のスペースの基準を満たしていて(N-VAN以外)、バンライフの主要候補でといえるでしょう。

*ハイエース・NV 200バネットは2人(または3人)乗りグレード

ハイエース以上か未満か

一覧で並べるとはっきりとわかるのが、ハイエース標準ボディ以上の車種は就寝スペース プラスアルファのスペース確保が容易だということです。

先に確認したように、大人2人に最低限必要な就寝スペースが190cm×120cmであることを前提にすると、ハイエース以上の車内スペースがあれば、就寝スペースとは切り離されたリビングを確保できることがわかります。この、就寝スペース プラスアルファの空間は、食事関連の道具専用の収納スペースとしたり、アウトドアなどの趣味の道具置き場に使用することで、より快適な住環境を構築することができます。

逆に、それ未満の車種では食事や就寝を切り替える際、使用した道具の収納が必要だったり、就寝時に道具と人間がどのように収まるか、車内スペースを立体的に考える必要があります。また、趣味の道具が多い場合はルーフキャリアを活用する必要が生じます。

効率的なスペース活用ができる軽バン

画像で確認した通り、多くの車種にはホイールハウス(タイヤが収まる部分・車内の出っ張り)があり、その部分がデッドスペースになるか、もしくはフロアの底上げなどによる回避が必要です。一方で軽バン(N-VANを除く)の車内スペースにはホイールハウスがなく、効率が良いスペース活用が可能です。

テントで言うと前室の有無に似ています

少しマニアックな話になりますが、テントの「前室」と呼ばれるスペースをご存知でしょうか。内部空間とは別に、土間などとして使用できるスペースを前室といいますが、ハイエースの車内空間はちょうど、就寝スペース+前室のスペースとほとんど同じくらいです。

キャンプや登山をしたことのある方なら実感があるかもしれませんが、通常、前室の有無はそれほど快適性に直結しません。そもそもリアハッチを開ければそこを前室がわりに利用することも可能ですので、スタイル次第というところでしょう。

ただし、悪天候時や道の駅などでは前室が役に立つことが多いのは事実です。

軽バンでも快適にバンライフ可能

車内が広いことによるメリットは多々ありますが、軽バンクラスの車内スペースでも十分だというのが、私たちの意見です。

軽バンでバンライフをしている方も沢山いらっしゃいますし、車種が小さいことによるメリットは非常に大きなものがあります。特に釣りや登山、秘湯巡り、さらには離島など、細い道の走行が多くなるスタイルを志向する場合は軽バンならではの取り回しの良さは大きな恩恵となります。

当然、初期コストを大幅に削減できるのも美点です。

荷物の収納

軽バンでバンライフ、という話題でよく質問されるのが、収納スペースはどうしているのか?というものです。特に大型キャンピングカーの情報しか知らない方からすると、軽バンクラスでの道具収納は非常に気なるポイントのようです。

固定式の家具が置けるハイエースクラス

固定式の「家具」を備え付けたいのであればハイエース以上の車内スペースが理想です。軽バンクラスの車内スペースでは、いくらコンパクトに設計しても、サイドシェルフやオーバーヘッドシェルフなどで就寝スペースを圧迫してしまえば、快適な住空間の構築は難しくなります。

柔軟な空間構築が必要な軽バンクラス

逆に、軽バンクラスだと就寝時に荷室スペースを目一杯使用する必要がありますので、レイアウト変更が容易にできるような、柔軟な空間構築が必要です。近年増加しているのは、キャンプや登山などアウトドア用品を活用して空間を構築するスタイルです。

アウトドア用品は昨今のブームの影響もあり、実に多種多様かつ高性能なので、従来型のキャンピングカーの什器以上の使い心地や快適性を実現できる場合も少なくありません。例えば調理器具やバッテリーなどは代表例で、コンパクトかつ非常に使いやすい道具が沢山ありますので、それぞれのスタイルによりフィットした空間を作ることができます。

車種ごとのポジション

ここで、車種価格を含めて各車種の相対的なポジションを確認します。各車種とも一番安価なグレードでの比較です。

バブルサイズ:面積/価格(サイズが大きいほどコスパ高)

軽バンとハイエースが健闘

荷室スペースあたりのコストパフォーマンスが良い車種は両極端で、軽バンか、ロングボディ・ワイド・ハイルーフのハイエースであることがわかります。

タウンエースとNV200バネットはかなり微妙なポジションで、荷室スペースあたりのコスパは相対的に悪い結果です。そもそも軽バンと荷室スペースが大差ありませんので当然ではありますが、これらの車種にもメリットはありますので後ほど紹介します。

車種ごとの評価

ハイエース(TOYOTA)|NV350キャラバン(NISSAN)

*ロングボディなどのバリエーションを含む

出展:TOYOTA

荷室長300cmという他の車種を圧倒する広大な車内スペースはもちろん、商用車ならではのスクエアな車内形状も使い勝手が良いです。ハイルーフやワイドボディもラインナップされていて、目的に合わせて更に拡張することもできます。

先に述べた通り、就寝スペース以外のリビング等を確保できるのがこのクラス以上の特徴で、固定式の家具や調理器具など、住宅に近い環境を志向する方に向いています。また、ワイドボディの場合はサイドシェルフを構築しても十分な車内幅を確保でき、収納力は抜群です。

軽バンを除き、各車種で問題になるホイールハウス邪魔問題に対しても、ジャストローというホイールハウス上までフロアを底上げした仕様がある点も評価できます。

燃費はエンジン形式により大きく差がありますが、概ね6〜10kmほどと、近代の車としてはそれほど良くありません。なお、最低地上高が高めにとられているため、多少のオフロードであれば問題なく走行することができます。

NV200バネット(NISSAN)

車内スペースが軽バンとほとんど変わらないため、正直なところあまりオススメではないのですが、良い点もあります。紹介する車種の中で唯一、後輪サスペンションがダブルウィッシュボーン式(4WDのみ)で、高速道路などでの乗り心地は他社種より優れています。

タウンエース(TOYOTA)

今回紹介する車種の中で、1番荷室スペースが小さいのがタウンエースです。商用車として比較するのであれば、軽バンの2倍以上となる750kgの積載重量など美点もあるのですが、バンライフ用としてどこを褒めたら良いのか、正直よくわかりません。

エブリイ(SUZUKI)|ハイゼットカーゴ(DAIHATSU)

出展:SUZUKI

私たちが最もオススメしている軽バン。その中でも2大巨塔といえるのがエブリイ・ハイゼットです。オススメの理由はコストパフォーマンスが非常に優れている点で、必要十分な車内スペースかつフル装備でも100万円台前半という驚異的にリーズナブルな車種価格など、驚愕するばかりです。

燃費は15km前後で、良くもなく、悪くもなく、といったところです。

車種本体がコンパクトなため、狭い道でもストレスなく運転できます。また、最小回転半径が小さいため、いざという時の切り返しが楽なのもバンライファーにとっては嬉しいポイントです。

軽バンオンリーの比較記事もありますので、興味のある方はチェックしてみてください。

軽自動車でバンライフできる?|エブリイ・ハイゼット・N-VAN比較

N-VAN

出典:HONDA

N-VANは非常に評価が難しい車種です。

大前提として2人でのバンライフは不可能です。そして、複雑すぎる荷室スペース形状も気になります。しかし、1人用と割り切ればバンライフに利用するのも不可能ではなく、高度な運転支援機能Honda SENSINGは大きなメリットです。

商用バン以外の選択肢

結局、選択肢は商用バンだけかい!と、突っ込まれてしまいそうですが、商用バンが圧倒的にオススメなのは間違いありません。

なぜ一般向車種は車内が狭いのか?

その一番の理由はシートにあります。乗り心地が考慮された一般車種のシートは座面が厚く、格納時も嵩張ります。バンライフにおいて、後部座席ほど邪魔なものはありません。座席を取り外すと、登録変更を行わないと車検に通らなくなるので面倒です。

一方で、荷物の積載性が最重要となる商用バンでは、座席格納時に荷室がフラットなのはもちろん、荷物の邪魔になるような出っ張りなどは皆無なので、車検適合の状態でバンライフを楽しめるのです。

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