【キャンピングカー】バンコン vs キャブコン|結局どっちが良い?

近年、キャンプを中心とするアウトドアブームの高まりによってキャンピングカーへの注目度が高まっています。

設営の手間がなく電源や空調が完備されているなど、苦労なしに旅行やアウトドア体験ができることが魅力のキャンピングカーですが、「バンコン」と「キャブコン」と呼ばれる2つののジャンルがあることをご存知でしょうか。

快適な居住空間を備えるこれらキャンピングカーですが、日本国内で使用するならどちらが良いのか?という疑問にお答えします。

キャンピングカーは主に2種類

バンコン

バンコンは、ワンボックスの商用車をベースにしたキャンピングカーです。商用バンの広大な荷室空間を活用して居住スペースを確保しています。

バンライフで利用される車両ももバンコンの一部

近年急激に人気を集めている「バンライフ」というスタイルもバンコンに属していると言えます。

バンライフが従来と異なるのは、内装に天然木をあしらったり、アウトドア用品を組み合わせるなど、自由度の高い世界観を特徴としている点でしょう。

キャブコン

キャブコンは、トラックの荷台部分に居住空間をゼロから作り上げるタイプのキャンピングカーです。

ベース車両のサイズが同等であれば床面積はバンコンと大差ありませんが、天井がバンコンよりも高いのが特徴です。

バンコン vs キャブコン

いよいよ本題です。結論から書きますね。

目的を問わず、キャブコンよりもバンコンのほうが使いやすいといえるでしょう。

その理由を、特徴を比較しながら説明していきます。

1.概要

バンコン

メリット
  • 走行性能が高く・燃費が良い
  • 密閉性などシェルターとしての性能が高い
  • 比較的リーズナブル

バンコンの運転感覚はベース車両とほとんど変わらず、燃費を含めた走行性能全般が良好です。

また、シェル(外装)は自動車ボディをそのまま利用するので、メーカーや価格帯を問わず快適性が保証されているだけでなく、キャブコンと比較して安価な傾向にあります。

デメリット
  • 天井の高さに限界がある
  • 外観が一般車両とほとんど同じ

一般車両車のボディをそのまま利用するバンコンでは、天井の高さに限界があります。とはいっても、立って移動することはできなくても、座ったり寝たりする分には十分な天井高が確保されています。

バンコンの外観は一般車両とほとんど変わりません。キャンピングカーらしい外観を求めると少し地味にも見えますが、目立たないことは ”人が寄ってくる” “覗かれる” などのリスクを減らすことにもつながるのでメリットと捉えることもできます。

キャブコン

メリット
  • 天井が高い
  • キャンピングカーらしい外観

居住空間の設計自由度が高いキャブコンは、天井が高いシェルが特徴です。大型の車種には立ったまま車内を移動できるモデルも存在します。

キャンピングカーといえばこれでしょ、という ”いかにも” な外観に憧れる人は多いようです。目立ち具合でいえばスーパーカーと並べてもいい勝負。ロマンがあります。

デメリット
  • 走行性能が低く・燃費が悪い
  • シェルの性能が価格帯で全く異なる
  • 比較的高額

架装により車重が重くなり、重心も高いために、走行性能や燃費は悪いです。

また、価格帯によりシェルの快適性が全く異なるのもキャブコンの特徴で、ゼロからシェル制作するキャブコンでは、密閉性などを追求するとそのまま価格が上がってしまいます。実際に、低価格帯のキャブコンでは外装が薄い板一枚だけ、ということも珍しくありません。数万台という規模で大量生産されるバンコンのボディ性能を同じコストで実現するのは不可能ですので、当然ではあります。

ゼロからシェルターを製造する必要があるキャブコンは、価格も高額です。バンコンと比較して1.5〜2倍ほどのプライスタグを掲げる製品が多いです。

そもそもキャブコンは大陸文化

大陸文化のなかで育まれたキャブコンは、広大な大地のなか、無補給で長距離移動する機能に特化しています。そのため、燃費やハンドリングは二の次になってしまうのです。

無補給で長距離移動するために必要になる装備として代表的なのは、水回り(トイレ・シャワーなども含む)が挙げられますが、道の駅をはじめとする補給施設が充実していて国土も狭い日本においては、水回り装備は日々のメンテナンスが大変なだけで真価を発揮するタイミングはほとんどありません。

実際にキャブコンを購入された方でも「水回り装備は不要だった」という感想を抱く方は多く、購入前のイメージと実際の利便性に大きな隔たりがあるといえます。

「メンテナンスめんどいから、道の駅のトイレ使うわ」というのはキャンピングカーあるあるといえるでしょう。

国土も道も狭く、ワインディングの多い日本にはバンコンが適している

どれほどの田舎だろうと、数十キロも走れば補給施設に行くことができる国土の狭い日本では、より小回りが効いて、走行性能の高いバンコンが使いやすいのは間違いありません。

さらに言えば、秘湯巡り・登山・滝めぐり・渓流釣りなどの趣味をお持ちの場合は、軽自動車ベースのバンコンがオススメです。日本の山奥には軽トラック基準で作られた村道・林道などが無数に存在しますので、キャンピングカー導入により行動範囲が広がるほど、また自然の奥深くに入るほど、軽自動車の機動性が活きてくるのです。

2.車両価格

バンコンとキャブコンで、大きく違うのが車両価格です。

たとえば、SO9が販売する「バンライフエブリイ」の本体価格が131万円〜と安価なのに対して、同クラスのキャブコンは300万円以上が相場です。

自動車ボディをそのまま居住空間として利用するバンコンと、一から居住空間を作る必要があるキャブコンでは、大きな価格差が生じるのです。

3.居住空間

空間の広さ

ベース車両の大きさが同等ならば床面積は基本的に同等です。大きく異なるのは天井の高さで、この点は居住空間をゼロから作るキャブコンが有利です。

ただし、天井の高さと走行性能はトレードオフで、重心が高くなるほど走行性能が悪化します。

快適性

機密性や静寂性などの快適性は基本的にバンコンの方が有利です。

一番の理由はバンコンが車のボディをそのまま居住空間にしているから。そもそも、車のボディは非常に性能の高いシェルターとしての機能を持っています。大手メーカーが大量生産により生産するバンコンのボディは、もとから高次元の快適性が約束されています。

キャブコンの快適性は価格によって大きな差があります。低価格モデルでバンコン同等の機密性や静寂性を実現することは難しいのですが、高価格モデルの場合はバンコンと同等の快適性を実現しているモデルも存在します。

4.装備全般

装備の豊富さはキャブコンが優れています。水回りを中心にサブバッテリーなどを備えている車両が多く、自宅に近い生活空間といえるでしょう。大型車両ではトイレまで備えているものもあるなど、至れり尽くせりの装備がキャブコンの特徴と言えます。

ただ、装備の充実度合いは価格と比例しますので、同価格で比較すれば本来の価格が安価なバンコンの方が装備が充実している場合が多いです。

結局どちらが優れている?

ここまでにバンコンとキャブコンを様々な観点で比較してきました。毛局のところどちらが優れているかという結論は「人による」ということになってしまうので、ここでは私個人としての結論を書きます。

勝者:バンコン

日本国内、で旅行などレジャー目的に使うならバンコン一択。

バンコン・キャブコンにそれぞれメリットはあるのですが、日本国内で利用するならバンコンの圧勝でしょう。その理由は次のようなものです。

理由①:キャブコンの装備は過剰

バンコン・キャブコン問わず、宿泊場所はキャンプ場・RVパーク・道の駅などが中心になります。これらの場所において、トイレ・水などに苦労することはありません。

電源についても、シガーソケットから充電できる超高性能なポータブル電源が容易に手に入る現代においては心配不要です。

キャブコンが特徴としている、水回りや電源を中心とした装備は日本国内の旅行においては過剰すぎて、コスト上昇やスペースの圧迫などデメリットの方が多いと言えるでしょう。

理由②:走行性能

絶景や温泉が旅の目的に含まれているなら、走行性能は非常に重要です。コーナリングの安定性や切り返しの容易さなどが優れるバンコンのほうがストレスなく移動できます。

しかも決定的に重要なのは、 ”走行性能” イコール ”旅の射程距離” だということ。一日でどのくらいの距離を快適に移動できるかが、どこまで行けるかに大きく影響します。

世界的に見て休暇が少ないとされる日本人、長くても10日程度の休暇を利用してでどれほど遠くまで旅ができるかは、走行性能次第と言っても過言ではありません。

イメージとしては、東京都起点で10日間の休暇を利用して、山口県の秋芳洞あたりで引き返すのか、熊本県の阿蘇山まで行けるのか、くらいの違いがあります。

理由③:カスタマイズ性

最初から全ての装備が備わっているキャブコンよりも、バンコンにおけるカスタマイズ性を重視すべきです。特に、余剰スペースが一切ない、軽自動車ベースのキャンピングカーの場合は重要なポイントといえるでしょう。

たとえば東京都を出発して、富山県を中心に日本海側を観光しつつ、ついでに室堂から立山周辺を1泊2日でハイキングするプランだとすると、大型のバックパックなどの積載を想定していない一般的なキャンピングカーでは場所に困ることになります。

バンコンの場合、ルーフキャリアが使用できるため、登山用品のような特定のタイミングでしか利用しないものはルーフキャリア に乗せるなど工夫の余地が残されています。

理由④:居住空間の快適性に大差なし

バンコン・キャブコン問わず快適な居住空間が特徴のキャンピングカーですが、快適といっても限度があります。

運転席や助手席で寝るいわゆる”車中泊”よりもキャンピングカーのほうが快適ですが、それでも快適性には限度があります。バンコン・キャブコン問わず ”かなり快適” ですが “自宅同様” とはいかないものです。

個人差はあれど長期旅行においては一定期間ごとにホテルなどでリフレッシュする必要があるのは、バンコン・キャブコン問わず共通といえるでしょう。

仮に、運転中の快適性も評価指標に入れるならばバンコンの方が若干有利とも言えます。

まとめ

いかがでしたか?バンコンを強烈にオススメする記事になってしまい恐縮です。しかしこれは、私自身がかれこれ20万キロ以上、ときには数ヶ月に渡る期間、日本旅行を続けてきた体験に基づくものです。

旅先でトレーラーなどを含む様々なキャンピングカーに乗った人々と交流してきましたが皆同様に、私が実践するバンコンをベースにしたスタイルに感心されていました。

十分に快適な就寝スペースを確保しながら、狭い道はもちろん、時にはオフロード走行もこなす様子がなんともに自由に見えたのでしょう。

最近では、これまで私が実践してきたスタイルにも「バンライフ」という名前がつけられ、着実に広がりを見せています。

SO9では税込131万円のバンコン「バンライフエブリイ」の販売も行なっていますので、興味のある方は是非詳細をチェックしてみてください。

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